日経新聞拾読み

◆変わる税配分負担感に時差 所得「減税」先行、6月に住民「増税」(2007.1.15)

大部分のサラリーマン世帯で、国税である所得税が1月徴収分から減り始めている。同月から定率減税が全廃されたにもかかわらず。国の税源を地方に移す税源移譲が同時に始まるためだ。地方税である個人住民税は定率減税全廃と税源移譲の影響が遅れて表れ、大半の世帯で6月徴収分から増える。
税源移譲の前後で、所得税と住民税を合わせた納税者の負担額は基本的に変わらない。課税の仕組みを変えることで、大部分の納税者の所得税を減らし、同額分の住民税を増やす。これにより自治体の税収を増やす。
制度変更の適用は所得税は1月徴収分から、住民税は6月徴収分からとずれる。このため大部分の納税者で見かけ上は減税が先行する形になる。
納税者の負担額は定率減税全廃の影響も考慮しないければならない。所得税は1月から最大で年12万5000円、住民税は6月から2万円増税になる。税源移譲と減税全廃の2つを合わせると、9割超の納税者はまず1月に所得税が減り、6月に住民税が増える。1〜5月は負担減が先行するが、6月以降の住民税の引き上げ幅は定率減税全廃の影響で所得税の減額分を上回る人が多いだけに、注意が必要だ。
総務省の試算では、年収700万円で専業主婦と子供2人がいるサラリーマン世帯の月額の税負担は1月から所得税が約5700円減り、6月から住民税が9400円増える。
2割程度の人に納税義務がある年金受給者への影響は、2月と6月に出てくる。所得税は年6回(偶数月)の年金支給時に天引きし、住民税は納税者が年4回(6,8.10.1月)銀行などに納める仕組みになっているためだ。年間に夫婦合わせて年金を約330万円受け取っている人は、2月に所得税が昨年までと比べて2700円減るが、住民税は1月までの5900円から6月に1万1600円に倍増する。
一部の高額所得者では所得税が増える一方で住民税が減ったり、所得税・住民税ともに増えたりする人もいる。専業主婦と子供2人を抱えるサラリーマン世帯では、前者は年収がおよそ1600万円より上、後者は1160万〜1600万円の所得層だ。

月額の税負担の変化
(上段:所得税、下段:住民税、単位円)
分類 年収 昨年末 1月から 6月から
サラリーマン
(専業主婦と
子2人)
300万円
700

700

800
500万円 5,050
5,900
2,800
5,900
2,800
11,300
700万円 12,880
15,100
7,160
15,100
7,160
24,500
1,000万円 26,380
35,200
21,190
35,200
21,190
45,000
1,500万円 75,290
80,500
75,530
80,500
75,530
82,900
サラリーマン
独身)
300万円 6,380
5,000
3,550
5,000
3,550
10,500
500万円 13,600
12,600
7,550
12,600
7,550
21,700
700万円 21,430
23,900
15,690
23,900
15,690
33,700
1,000万円 43,480
44,400
40,190
44,400
40,190
54,200
1,500万円 92,390
92,500
96,680
92,500
96,680
92,100
分類 年収 1月まで 2月、4月 6月から
年金受給者 300万円
(夫婦合計)
6,200
5,900
3,500
−  
3,500
11,600

◆生保商品の主役交代 医療保険の契約約1668万件(2007.1.15)

生命保険会社が扱う医療保険が、長く生保商品の代表格だった「定期付き終身保険」を契約件数で初めて抜いた。高齢化の進展で病気にかかった場合の備えに関心が高まっているためで、生保会社の保有契約件数(昨年9月末)は合計1668万件となり、定期付き終身保険を約80万件上回った。各社は医療保険を中心とする「第三分野」が今後も成長するとみており、商品やサービスも多様化している。
定期付き終身保険は一定額の死亡保障が一生続くとともに、子育て世代などの一定期間は保険金を増額できるようにした商品。働き盛りで死亡した場合に遺族に高額な保険金をのこせるため、1970年代以降人気を集めた。ピークの97年には契約が約3000万件、保険金ベースの契約高は千兆円近くに達した。
一方、医療保険は入院した日数に応じて日額5000、10000円といった給付金が受け取れるほか、手術を受ければ数十万円程度の一時金ももらえる。病気にかかった場合の経済的負担を軽くするのが主な目的だ。
医療保険が好調なのは寿命が延びたことに伴い、老後の医療費などがかさむ「長生きするリスク」に関心が集まっているためだ。公的社会保障の負担増や給付金削減が懸念されるなか、民間の保険で医療費の自己負担分や差額ベッド代を賄おうとする人が増えている。
住友生命保険や明治生命保険などは定期付き終身の販売を中止し、保障内容をより柔軟に設計できる新型の終身保険に切り替えた。こうした新商品を含めても、終身保険全体の契約件数はじりじりと減少し、昨年9月末は3743万件だった。
一方、医療保険にがん保険と傷害保険を加えた「第三分野」全体の契約件数は9月末で3495万件。定期付き以外も加えた終身保険全体と第三分野との差は2002年度末に1000万件以上あったが、約250万件までに縮まっている。

◆保育料軽減 2人目以降の対象拡大(2007.1.5)

少子化対策の一環として、厚生労働省は4日、2007年度から民間保育所の保険料の負担を軽減する方針を固めた。保育料の軽減対象を、現行の「保育所に通うようだいの2人目以降」から「保育所か幼稚園、認定子ども園に通うきょうだいの2人目以降」に拡大。上の子どもが幼稚園などに変わっても、2人目以降の保育料負担が増えないようにする。
同省は「幼児教育への需要に応えられるよう措置を講じる」としている。
現行制度では、保育所に通っている兄弟の2人目の保育料は半額になり、残りの半額は国と自治体が折半。3人目からは1割だけ負担する。ただ、1人目が保育所から幼稚園に変わると、2人目の保育料が全額負担に、3人目は半額負担に、3人目は半額負担となり、家庭の負担が増す。
例えば、年収が5百万円の家庭だと0〜2歳児の保育料は国の基準で月3万円。長男が保育所に通っていれば、1歳の二男の保育料は半額の1万5千円になる。しかし長男が幼稚園に入園すると、二男は割引の対象から外れ、保育料は3万円になり、負担は年間で18万円増える。
新制度では1人目が幼稚園や、10月に始まった幼稚園の機能を併せ持つ認定こども園に入っても、引き続き同様の保育料割引を受けられるようになる。
厚労省によると民間保育所は全国に1万1千ヶ所あり、新制度の対象となる児童は約1万人と想定している。

  【保育料の負担】
  ○保育所のみに入る場合
     1人目・・・全額
     2人目・・・半額
     3人目・・・1割

  ○〔現行制度〕1人目が幼稚園に入園
     1人目(幼稚園)・・・全額
     2人目(保育所)・・・全額
     3人目(保育所)・・・半額

  ○〔新制度〕1人目が幼稚園か認定こども園に入園
     1人目(幼稚園か認定こども園)・・・全額
     2人目(保育所)・・・半額
     3人目(保育所)・・・1割

◆3年以内の離婚3割超 若年無業者は60万人台(2007.1.1)

第二新卒
厚労省の2006年の調査によると、03年3月に大学を卒業して就職した社会人が3年以内に退社した割合は35.7%。00年の36.5%をピークに横ばいの状態だ。特に入社1年以内に退社する割合は6年連続で15%を超えている。
労働政策研究・研修機構が第二新卒をテーマに実施した調査では、過去3年間に正社員の採用を行った企業のうち約6割が第二新卒を採用対象にしている。入社後の評価については2〜4割の企業が新卒者と比べて「優れている」と回答した。

若年無業者
青少年白書によると、働いておらず、職探しや家事・通学もしていない15〜34歳で、「ニート」に近い概念とさる若年無業者は02年に50万人を突破して以降、4年続けて64万人で推移している。
就職氷河期に大学を卒業した世代を含む25〜34歳の世代の割合が徐々に拡大。そもそも求職の意思がないタイプよりも、意思はあるけれどもメンタル面など何らかの理由で求職活動ができないケースが目立ち始めている。

◆毎月分配投信の人気 「債券型」から「株式型」に(2006.12.31)

国内最大の投資信託である「グローバル・ソブリン・オープン(グロソブ)」が12月、2000年2月以来、6年10ヶ月ぶりに資金流出に転じた。分配金を毎月出す点が人気の理由だったが、個人の関心がグロソブのように主に外債で運用する投信から、株式や不動産で運用するタイプに移る兆しも出てきた。
グロソブは国際投信投資顧問が運用し、現在の純資産残高は5兆6千億円。銀行が積極的に販売し個人も預金から資金を移したため、02年10月に1兆円の大台に乗せてから4年強で約5.5倍に拡大。「貯蓄から投資へ」を象徴する金融商品だった。
02年以降は毎月2百億〜1千億円超の資金流入が続いた。05年8月のピーク時には公募株式投信全体の残高の14%を占めたこともある。今年9月からは流入ペースが鈍化、今月は月間の解約額が設定額を225億円ほど上回った。
資金流出に転じた背景には、グロソブの成功に刺激され類似の投信が相次ぎ登場したことがある。毎月分配型の投信は直近で293本と1年前から24%増えた。外債だけでなく株式や不動産で運用し、毎月の分配金をより多く出す商品も増えてきた。
グロソブの分配金は毎月40円、年間480円。これに対しボーナス分を含めると年間千円を超える分配金を出す商品が珍しくない。販売する金融機関も個人に分配金の多さを訴え商品を薦める例が目立つ。
毎月の分配金は個人に投資の短期的な成果を実感させる半面、長期的な採算を見えにくくさせる弊害もある。分配金を出しすぎると純資産が減り、運用の成果を再投資に回した場合に比べ総合的な運用成績が上がりにくくなる可能性もある。

主な毎月分配型ファンドの資金流入ランキング
商品名
(運用会社)
年間資金
流入額
(億円)
年間
分配金
(円)
グローバルインカム株式ファンド
(ピクテ)
12,752  1,900
財産3分法ファンド
(日興アセット)
6,961 730
グローバル債券ファンド
(大和投資信託)
6,343 940
グローバル・ソブリン・オープン
(国際投信)
6,000 480
高格付インカムオープン
(興銀第一ライフ)
4,764 1,820
グローバルREIT
(野村アセット)
3,576 1,900
ハイグレード・オセアニア・ボンド
(大和投資信託)
2,000 725
バランスインカムオープン
(三菱UFJ投信)
1,650 971
ハイインカム毎月分配型ファンド
(三菱UFJ投信)
1,584 564
ワールドソブリンインカム
(日本投信)
936 429
生命保険見直し、ライフプラン作成‖FPオフィス・Ban