日経新聞拾読み

◆学資保険仕組み理解を NO2(2008.11.21)

 ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんは、保険商品は一度契約すると解約がしにくいという欠点を逆手に、教育資金をためるのに適していると指摘する。「預貯金では別の用途でつい引き出してしまうこともあることが、保険ならそういった誘惑に勝てる」という。また教育費という支払いの時期がはっきりしているものに対し、価格変動の大きい商品での運用は向いてないというのが畠中さんの考えだ。
しかし、かんぽ生命の学資保険の新規加入者は年30万件程度で、年160万件程度とピークだった1993年より大幅に減少。ソニー生命の新規加入者は年間10万件強で、両者を合わせても学資保険離れは明らかだ。教育資金の総額が莫大なことや、学資保険の運用効率の悪さがささやかれたことが背景とされる。
そうした状況を踏まえて、「学資保険は教育資金を蓄えるのに合っていない」とはなすのはファイナンシャルプランアーの藤川太氏。私立に通うのはもちろん、進学に備えた準備などもあって中学、高校でも多額の教育費が必要なのが昨今の教育事情だ。18歳満期が中心の学資保険では十分に対処できない場合が想定される。
保険商品はお金の価値が相対的に下がるインフレに弱いうえ、教育費は消費者物価指数など統計に表れる物価よりも上昇しやすい性質を持つ。足元の金融危機で投資環境は厳しいが、国内外の債券や株式に投資する国際分散投資が王道だと藤川氏は指摘する。受取額が大きい生命保険に入っている家庭では学資保険の死亡保障が過剰になっている可能性もある。

◆学資保険仕組み理解を(2008.11.20)

 子供が生まれた時に加入し、18年後に500万円を受け取る例を具体的に見てみよう。郵便局で契約できるかんぽ生命の「新学資保険」の場合、毎月の支払額は2万3130円となり、不確定な配当金を除けば受取額の500万円を上回る。
これは、「保険の機能が充実している」(営業企画部の野沢総部長)ためだ。かんぽ生命の学資保険では、被保険者でる子供が死亡した場合にも、保険金額が満額支払われる。事故で子供が亡くなった場合には、保険金額の2倍が支払われる「倍額保障」もある。貯蓄より保険を重視しており、資金を増やそうと考える人には向かない商品といえる。
一方、ソニー生命の学資保険では、毎月の支払額は2万700円。18年間442万1200円を支払って、500万円を受け取れる。被保険者の子供が死亡しても、それまでに払い込んだ分しかお金が戻ってこないなど、かんぽ生命よりも保険の機能を絞り込み、貯蓄性を高めた。
超低金利が今後も続くと仮定すれば、ソニー生命の学資保険は銀行などに定期貯金の積み立てをするよりは有利な運用だといえる。ただ保険という商品の特性上、積み立て金額を自由に変更できないことや、仮にインフレが起こった場合に価値が損なわれかねないということに注意が必要だ。

◆教育資金どうためる(2008.11.19)

 かわいい我が子の教育資金をどう確保するか。2000万円とも3000万円ともいわれる教育資金の総額を聞いて、途方にくれる親も多いはずだ。学資保険は教育資金を蓄える手段として昔も今も定番だが、商品性をよく理解したうえで加入することが欠かせない。加入目的などを明確に意識しておかないと、リターンの低さを後々くやむことにもなりかねない。
神奈川県に住む30歳代の夫婦は今年、待望の第一子が誕生した。「子供が生まれたらまず学資保険」と考えていた夫婦は友人の進めもあってソニー生命保険の学資保険に加入。毎月約1万円を支払い、子供が大学入学を控える17年後に230万円を受け取る。
「今支払える金額」を考えて保険金額を決めたこの夫婦だが、加入後に不安に思うこともある。小学校や中学校から私立に行った場合、学費に振り向ける家計の余裕はあるか。今節約してもっと保険金額を増やすべきではなかったのか。そもそも学資保険は教育資金をためるのに最適な選択だったのか。
学資保険は契約者(一般的には親)が死亡した場合、その後は保険料を払い込まなくても、設定した満期になっれば、保険金を受け取れる金融商品。払い込み額や期間に応じて受取額が増減する。代表的な取扱金融機関はかんぽ生命保険だが、最近は民間の生命保険会社も手がけている。
学資保険の商品性は、教育資金をためる貯蓄性の機能と、万が一の備える保険の機能が組み合わされているのが特徴。加入の際にはどちらを重視するか判断することが大切だ。

◆教育資金(2008.11.18)

 教育資金がどれだけ必要となるのか。代表的な調査である文部省の2006年度の「子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校まで私立に通った場合に1678万円、小学校だけ公立の場合でも1055万円かかる。
大学に入れば、入学金、学費のほか教科書代、下宿代などが加わるため、2,000万円以上が必要になる家庭も多いとみられる。
教育資金で注意が必要なのは、年々学習費が増加していること。十年前の調査(1996年度調査)と比べると、私立中学で9.3%も増えている。公立学校でも、受験熱の高まりなどを受け、塾や家庭教師などに費やす(学校外活動費)が伸びている
長いデフレの時代にも上昇を続けてきたのが学習費。この傾向が今後も必ず続くとは限らないが、教育資金は少し多めに確保するようにしておくのが得策だろう。

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